以下、ASAHI.COMより転載 =========================================
この冬、東日本や北日本は戦後2、3番目の暖かさとなるなど全国的に暖冬だった。タンポポや梅が記録的な早咲きとなり、ワカサギ釣りやスキー場を抱える観光地は打撃を受けた。気象庁の予報では春の訪れは早く、高温は夏まで続く見通しだ。
群馬県高崎市の榛名湖では1月30日、延期していた氷上のワカサギ釣りが当日朝になって解禁できなくなった。氷は張っていたものの薄くなり、危険と判断された。
漁業や観光業者でつくる利用安全協議会には、駆けつけた釣り客からの苦情や、宿泊のキャンセルが相次いだ。
暖冬による全面中止は07年に続いて2回目。この冬の損失は1億5千万円になりそうだ。鹿野宏会長は「地球温暖化による暖冬を前提に桟橋を作るなど氷結しないことを想定した対策を立てなければいけない時期にきた」と話す。
北海道新篠津村のしのつ湖のワカサギ釣りの解禁は1月24日で、これまで最も遅かった1月5日を19日もずれこんだ。村の担当者は「釣りができるのは3月10日ごろまで。異常だ」と話す。
富山県砺波市の「となみ夢の平スキー場」は雪不足で2月は閉店状態に。1月も半月程度しか滑れなかった。担当者は「80年代にオープンし、かつては3月いっぱい滑れたのに」と少雪を恨む。
気象庁によると、この冬(昨年12月〜今年2月)の平均気温は平年に比べ東日本が1.5度、北日本が1.6度高く、それぞれ戦後2番目、3番目の記録となった。降雪量は、北日本の日本海側で平年の76%、北陸では31%しかなく、それぞれ戦後2番目、3番目の少なさだった。シベリア高気圧の張り出しが弱く、寒気が南下しにくかったためという。
東京都心でも雪が降るなど冷え込んだ2月27日、気象庁は異常天候早期警戒情報を出した。3月4〜13日、全国的に気温が平年よりかなり高い状態が続くと予想したからだ。3月27日までの1カ月予報でも、平年より高くなる確率を60〜70%とみる。
4日発表予定の桜の開花予想でも、桜前線の北上は平年より早くなりそうだ。すでに気象会社ウェザーニューズや日本気象協会が出した予想でも各地で数日は早い。
気象庁がスーパーコンピューターで予測する8月までの暖候期予報も高温傾向を示す。この10年間は03年を除いて猛暑傾向が続く。気候情報課の渡辺典昭予報官は「西部太平洋熱帯域の海面水温が平年を上回る状態が続くとみられ、気温も高い状態が予想される」という。
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