TBS系(JNN) 2月22日(水)配信
21日、山形市の蔵王に登山に出かけ、道に迷い遭難した仙台市の男女が、22日朝早く、救助されました。2人とも意識はあり、命に別状はないということです。
無事救助されたのは、仙台市の美容師男性(31)とアルバイトの女性さん(27)の2人です。
2人は21日、山形市の蔵王温泉スキー場の地藏山頂駅から熊野岳方面に登山をしていましたが、吹雪のため道に迷い、警察に救助を求めていました。
捜索は22日朝早く再開され、午前6時50分ごろ、県の防災ヘリが地蔵山頂駅からおよそ300メートル地点で、2人を発見し救助しました。2人は低体温症の症状がみられるものの、意識ははっきりしており、命に別状はないということです。(22日09:52)
================= 毎日新聞 2月23日(木)配信
山形市の蔵王連峰で21日に遭難した男女2人は22日朝、地蔵岳山頂(標高1736メートル)から南東約300メートル地点で発見された。 山形署によると、仙台市、美容師男性(31)は自力で歩け、同市、アルバイト、女性(27)は衰弱した状態だった。ともに意識はあり命に別条はないが、低体温症の疑いがあり、県消防防災ヘリ「もがみ」などで同市内の病院に救急搬送された。 22日午前6時半ごろ、2人の救助のため、山形署員、蔵王スキーパトロール隊、蔵王山岳捜索隊の約20人が蔵王山麓駅からロープウエーで出発し、捜索を再開した。同50分ごろ、県消防防災ヘリが上空から2人を発見し、つり上げて救助した。消防防災航空隊によると、男性は尾根の上に立ってヘリに手を振り、女性は地面に横たわった状態で見つかった。山形署によると、二人は斜面に穴を掘って一晩過ごしたという。地上からの捜索隊は地蔵山頂駅到着から間もなく、ヘリによる救助の連絡が入って引き返した。山麓駅に戻った山形署地域課の浅黄透課長は「2人が無事に見つかり良かった。天気も味方をしてくれた」とほっとした表情を浮かべた。 ロープウエーの運営会社「蔵王ロープウエー」によると、地蔵山頂駅付近では21日の午前中は雪、午後から次第に曇りがちとなり、午後8時過ぎからは晴れた。一日を通じ、視界は30〜50メートルとやや悪く、風速は約10メートル、気温は氷点下10度ほど。22日午前6時は氷点下13・5度だった。 同社索道事業部の工藤利彦副部長は「山頂駅付近でみれば普段通りの気象条件。天候や自分の力量に合わせ、無理はしないでほしい。不慣れな場合は、インストラクターを付けるなど対応が必要だ」と注意を促した。【安藤龍朗、鈴木健太】
◇冬の蔵王「風対策が大切」−−山岳インストラクター協会・会田理事長
蔵王連峰でガイド活動を続ける「蔵王山岳インストラクター協会」の会田茂雄理事長(71)は、2人が遭難した地蔵岳と熊野岳の間は「蔵王の中でも一番風が強い」と指摘する。「蔵王は冬に風が強いから樹氷ができる。その中でも、風の通り道になって植物が育たない場所だ。ふぶくと目標物がなくなって方向が分からなくなる」と語る。冬山の場合、気温に加えて風が強いと体感気温も低くなるため、より注意が必要だという。 万が一、冬山で遭難した場合は、「まず下手に動かず、身を隠す場所を探すこと。風に体をさらしてはいけない。木の根もとや岩陰を探し、それもなければ雪洞を掘る」。会田さんは、日帰りの山行でも、風よけになるツェルト(簡易テント)は必ず携行すると決めている。「風をいかに防ぐかが大切で、ツェルトは休憩時にも役立つ」と強調する。【安藤龍朗】
2月23日朝刊
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